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メルマガ先行連載【超入門・チェロ講座】第5回

【第5回】 続続・あなただけに教まえす、音感を身につける秘儀(続続・アヤシイ)

 チェロの弦は、完全5度、といわれる音程で合わせています。現実的には、純正律の完全五度でまずは、合わせます。

 完全5度は楽典の知識、純正律は音律の知識です。「楽典」や「音律」というのは、「内容の知識」(http://eflat.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_07cb.html)です。よき入門書がたくさんありますしネット上にも資源がありますから、是非身につけておいてください。

 前回、2つの音の違いをあわせるときは、単純な響きになるところだろう、という予想をしました。
 
 今回は完全5度です。
 
 同じ音、ということは音程で言うと、完全一度、ということになります。これはちょっと和音とはいえませんね。
 
 2和音と言われるものは、いろんな説があるんですが、よく合っている、という順番で、完全8度、完全5度、完全4度、長3度、短3度、短6度、長6度…などと言われています。これらは、いわば、アンケートみたいなもので、うなりとか聴こえやすい?ということをだいたい集計した結果らしいのです。完全4度以降は諸説紛々らしく、いろんな順序を見かけます。
 
 それだけ、和音の捕らえ方というのは、感覚的であり、わかりにくいのです。
 
 純正の完全5度は現象的に周波数比率が2:3になるということではありますが、それがどう響くかということは、おそらく今の科学では表現のしようがありません。
 
 とは言っても、完全5度は、8度は別として、よくわかる和音第2位にランクされているだけはあるのです。つまり、完全5度の響きも、前回の完全1度の時の響きと同じようなことがいえます。すなわち「いちばん単純な響き」が、おそらくこの和音のいちばん近くであると。これが、3度、6度になると、そこまでは言えなくなってくるのですね。
 
 一番単純な響きは、もし連続して2つの音を変化させることが出来るのであれば、比較的捕らえやすい感覚です。だから、チェロにちょっと似た楽器、ヴァイオリンでは、弦のテンションの弱いおかげもあって、ペグを使って一つの音をわざと大きく狂わせ、次第に近づけていきます。そうすると、だんだん音が単純になっていく様子がわかります。
 
 チェロもペグで合わせることが出来れば、同じようなことができます。しかし、さまざまな事情で、ペグを回しながら弓で音を出すという状況がつらいのですね。
 
 なので、一回ひいては、アジャスターを回し、また弾いてはアジャスターをまわし。
 
 これはチェロのチューニングを困難にしている事情です。
 
 みなさんは、数ある楽器の中でも、特にチューニングが面倒な楽器を選んでしまったのですね…あ~いつになったらチューニングが出来るんだろう…。

筆者注:超入門はのろまなかたつむりです。イライラしたらごめんなさ
い。「たゆみなきあゆみおそろしかたつむり」

この記事は、メルマガ第4号[2008/03/12]に掲載されたものです。まぐまぐ登録はこちら

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メルマガ先行連載【超入門・チェロ講座】第4回

【第4回】 続・あなただけに教まえす、音感を身につける秘儀(続・アヤシイ)

 ブログでにバックナンバーとして掲載した第3回のコメントに、SINさんとのやりとりがありますが、今回は純正(律)の話…に突入できるんだろうか。
 
 さて、半ば本気で「世界の名A(めい・あー)」を提案したその背後にあるのは、基準音をチューナーの電子音に合わせる癪さ、ですかね(いえ、チューナーはすばらしい機器ですよ、これから使いやすいチューナーを開発してくださいね、メーカーさん)。
 
 「耳であわせる」と考えたとき、それは、目印としてわかりやすい事が必要です。たとえば、まったくランダムなピッチで2つの音を同時に鳴らしたとして、おそらく大部分「ヘン」に聞こえるでしょう?たまたまそれが、和音であったり、同じ高さの音である、という確率は低いですよね。逆に言うと、和音(以下同じ高さの音も含めて和音といいます)は珍しい、そしてそれがために、わかりやすいはずの音程、なのです。
 
 ということで「同じ高さの音である」という感覚は、おそらくわかりやすい感覚(音感)であろう、とは思うんですが、本当に「まったく同じ音」である状態と、わずかにそうでない場合に、どんな感覚の違いを得るんでしょうか。
 
 物理的には「うなり」が生ずる、としています。つまり、近い周波数で2つの音で鳴らすと、低い周期で「わんわん」うなるので、それを聞け、うなりは耳障りだろう???
 
 
 そういわれたところで、わずかに周波数のずれた2つの弦の音を聞いたことがありますか?

 ん?結構美しくないですか?
 
 そう、美しくと言っていいのか、効果的といっていいのか、とにかく、何らか心地よく聴こえる場合も珍しくないのです。
 
 実は2つの音の周波数がピタっと合っていると、ほぼひとつの音に聴こえてしまって、非常に単純な響きになります。ところが、ほんの少しずれていると「コーラス効果」といい、広い拡がりの、いかにも「アンサンブル~」という響きになることが知られています。
 
 電子楽器では、こうした響きをわざわざ作るための「コーラス」と言われるエフェクターがあります。わざわざひとつの音を2つに分離して、周波数をわずかに変えて出力し、いかにも「複数で弾いてますよ」って音のする効果を出すものですね。
 
 (少し専門的になります。周波数をわずかに変えるのは本来「ピッチシフター」で、「コーラス」は、実際には位相をわずかに変えているだけですが、聴覚上はほぼ同じ効果を得られることがわかっています。実はこの辺がこの話題のカラクリでもあります。物理好きの方はどうぞご検証ください。)
 
 このとき2つの音にはもちろん「うなり」が生じていますが、必ずしも不快ではありません。まして、弦楽器のように複雑な響きを持っているとなおのことなのです。特に「名A」で合わせたらどうでしょう、より美しいかもしれません(これは想像ですよ)。
 
 で、あまりチューニングに慣れていない方は、ぴったり合ってる状態は単純すぎてつまらず、「コーラス」状態でも「ずれている」とはあまり思わないのではないでしょうか。なぜなら、もし音程に対してなんの知識もなければ、『心地よい響きがするということが「音が合ってる」ということだ』と解釈しても不思議ではない、と思うからです。
 
 だから、ここちよい「コーラス」は、合っているんじゃないかと解釈する。これは音感そのもの問題ではなく、その表現、理解の問題ですよね。
 
 そうなんです。同じピッチにあわせるということは、「コーラス」で「アンサンブル」してるような心地よい響きにあわせるのではなく、「一番単純な響きになる状態にする」ということ。これが理解できれば、合わせることができるようになるのでは?
 
 チェロのある程度弾ける方は試してみてください。もちろん、自分の最高のボウイングでね。まずAの開放を弾き、D線で同じAを重ねて弾いてください。合っている状態と思われる音の上下に、ほんのわずかにずらしてみてください。さすがに4分の1音近く離れてくると気持ち悪い響きになってきますが、ある程度の範囲以内だと、アンサンブルみたいに聴こえませんか?ある意味、同音奏法のときは、このくらいはずれていたほうが、よく響く、みたいな感じしませんか?
 
 おお、今日は少しまじめに書きました。いえ、これからもずっとまじめですとも。
 
 では、次回以降はこのことをヒントに、完全5度の調弦に進んでみましょう。

 筆者注:超入門はのろまなかたつむりです。イライラしたらごめんなさ
い。「たゆみなきあゆみおそろしかたつむり」

この記事は、メルマガ第4号[2008/03/05]に掲載されたものです。まぐまぐ登録はこちら

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メルマガ先行連載【超入門・チェロ講座】第3回

【第3回】 あなただけに教まえす、音感を身につける秘儀(アヤシイ)

 予告してしまったので、やらずばなりますまい、秘儀なんてあったっけ(後悔)。

 気を取り直して。
 チューニングといえば、完全5度という音程の和音ですが、その前に、基準の弦、たとえばAをあわせないと。そのためには、基準音Aと自分の楽器のA音が「同じピッチ」であるということを、判断できる必要がありますね。音程とピッチ、非常に良く似ていますが、ちょっと違います。その件はまたいずれ。ここでは同じ高さの音と考えてください。
 二つの同じ高さの音を聞き分ける、なーんてことは、朝飯前だという方には用のない記事かもしれません。…ほんとにそうかな?

 音の高さが合っているということと、それがちょっとずれてる、すなわちどっちかが高くて低くて、という状態をじっくり感じようとしたら、そうですね、音を可変できるチューナーを2つ買ってきましょうかね…で、まず両方を440ヘルツにして鳴らしてみる。同じ音なんで、ひとつのようにきこえますよね…で、片方をちょっとずらしてみる…うーんききようによっては、わんわんとか、うわうわとかなにかうねってるような…もうちょっとずらしてみる、うわうわうわうわが細かくなったような、ならないような…もとにもどしてみると、あーひとつになったって感じがする。
 
 まーてなぐあいでしょうか、で、だんだん慣れてくると、どっちが高い音か、低い音かもわかるようになってくるでしょう…
 
 でも、ここでですね、大問題。このチューナーとやらを2つも買ってきて、音が合いましたとなったとき、その音を聴いて、キモチイイでしょうか?たしかに合ってない状態よりは、うーんいいかもしれない…でも所詮「電子音」、それ以上でも以下でもない。
 
 「音感」なるもの、そんなものでしょうか。これから美しい音楽を奏でるべく、その世界に没入せんまさにそのときの最初のきっかけ、チューニングが、この程度の感激で始まってよいものでしょうか。チューニングが退屈だと、時間かけずにこんくらいでいーや、ってことになりませんか?(いいんじゃないかな、と思う方は、ここでおわり~)?
 
 そこで僕が考えたのは、なんと、チューニング専用のCDです。その名も「世界の名A(めい・あー)」世界中の名演奏家にAを演奏してもらい、それをCDに収めるのです。100名くらいでどうですか。そしてそのAを聴きながら自分のAをあわせるのです。
 
 世界をうならせる名A、その演奏を聴きながら、自分のAを合わせる、なんと贅沢なチューニングの時間でしょうか。まさに、単にAが合っているだけでなく、弦楽器であれば、芳醇で豊かなA、燃えるようなA、ちぎれそうに繊細なA、今日の気分でいろいろな楽器で試せるA。
 
 「私がチューニングするならヨーヨーマのA、いやマイスキーよ、いいえやはりペレーニじゃないと」…チェリストにとって、チューニングは至高の喜びの時間と化す…
 
 クラシックだけでなく、いや世界の音楽界の話題をさらうリリースとなるかもしれないこの企画、どこかのレーベルで実現していただけないでしょうかっ。本気です。実現の節はぜひ、「ジャ○ネットた▲た」で売ってほしい!(つづく…つづいていいのだろうか?しかしこのまま終わるわけにも行くまいっ!)。
 
 
 筆者注:超入門はのろまなかたつむりです。イライラしたらごめんなさ
い。「たゆみなきあゆみおそろしかたつむり」

この記事は、メルマガ第3号[2008/02/27]に掲載されたものです。まぐまぐ登録はこちら

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メルマガ先行連載【超入門・チェロ講座】第2回

【第2回】 チューニングは適当に(えーっ!)

 うーん、やっぱり現実にはチューナーを使って合わせるますよね。最初の数ヶ月は音を出すのすら心配だと思います。一番最初のレッスンを受けたときのことを考えてみますね。まだこれからチェロを習うという方は、ご参考。

 多分、チェロの構え方、そして弓の持ち方。どっちも最初は戸惑うもの。特に弓の持ち方っていうのは、日常そういう風に持つものってないですから、初めての経験。弓が持てないと、音も出ないのでやっぱりやらないと。で、弓をだましだまし何とか持ったらD線を弾いてみましょう。

 だいたいこんなもんで、レッスンは終了かな?

 チューニングのためには、一応全部の弦を弾けないといけないから、これじゃチューニング出来ないじゃん。結局つぎのレッスンまで放置することになるんでしょうか?
 幸い、音があまり狂わなければいいですが、やっぱりそれなりに音が合った状態で練習したいですよね。

 だから、そういうとき、弓がうまく持てなかったら、握っちゃってください。チューニング限定ですよ。そして、チューナーの針(またはLED)などを頼りに、アジャスターを使って合わせましょう。前号で心配したオクターブの問題ですが、オクターブ上とか、下とか、そんなになってしまうためには、下なら弦がものすごくゆるゆるになるか、上なら切れるほどはるか(張れないですそんなに)なので心配要りません。この辺は適当に考えてもいいですよ。

 問題は、弦がゆるゆるになったときです。一番いいのは、レッスンのとき、あるいは楽器を買ったときに、弦を自分で張ってみる、というのです。そうしたら、ゆるゆるになったのをはり戻すときに、あまり恐れることはありませんね。

 先生も教えてくれるとはおもいますけど、突然のことで頼みにくければ、楽器店に行きましょう。そこで、店員さんにチューニングしてもらうんじゃなくて、弦の張り方を習ってくださいね。

 ふーっ、これで。チューニングは解決しました。そう、いわばチューニングは適当に、あまり考えすぎずにね!(^○^)/
 
 …ん、してない、という声がちらほら。「そんなことはわかってるよ、それじゃ、やっぱり人頼み、機械頼みじゃん、私は耳を使って合わせたいの、音楽をするんだから…」。
 す、すばらしい。まさにそのとおり。
 ほんとうは僕もそれをいいたかったのです(ほんとか?)。やっぱり、ここで大事なのは音感、二つの音を聴きそれを判別できる能力なのだぁ…ということで、チューニングをきっかけに、次回から「あなただけに教ます、音感を身につける秘儀」に移っていきたいと、思う次第であります(あやしいなぁ)。
 
 筆者注:超入門はのろまなかたつむりです。イライラしたらごめんなさい。「たゆみなきあゆみおそろしかたつむり」

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メルマガ先行連載【超入門・チェロ講座】第1回

【第1回】 恐怖のチューニング?

 ある掲示板で、初心者ヴァイオリニストが、「どうやったらチューニン
グできるようになる?」という質問をしていました。いろんな回答が寄せ
られていましたが、たとえば「チューナですればいい」とか、「Aだけあ
わせて後は耳であわせるように練習すべき」とか、「うならないところで
」とか…。
 弦楽器奏者にとっては、チューニングは日常のこと。でも初心者がいつ
までも出来るような、出来ないような、なんとも納得いかないこのチュー
ニング。チェロもヴァイオリンも同じですね。
 チェロは弦の張りが強く、ペグでぐるぐるあわせることが難しいので、
テールピースについているアジャスターを使うことが多いです。もちろん
アジャスターの範囲を外れたらペグ回します。
 ペグをまわして心配なのは、回しすぎで弦を切ってしまうこと。弦って
消耗品とはいえ、値段が結構しますからね。だから、弦を軽くはじきなが
ら、極端に高い音にならない(すなわち弦を張り過ぎない)ように、ペグ
を回していきます。逆に回しすぎたらゆるゆるになって駒が倒れるかも。
さてもうこの時点で難関です。
 チューナーで、Aの線をあわせるのはチェロもヴァイオリンも一緒。こ
のとき、Aの電子音を聴いて合わせるのがいいのか、表示を見て合わせる
のがいいのか。そもそもそれが出来るのか?
 次に他の弦を合わせるときは、やっぱり表示を見るのか、Aに対して、
Dの音を耳で聞きながら合わせるのか。ここで次の難関。A線とD線は完
全5度といわれる和声。これがどんな響きなのか知らないといけません。
響きを知るってどういうこと?
 難しいから、メーターだけ見ていたら、一オクターブ上(切れるかも)
でも下(駒が倒れるかも)でもわからないかも。
 ああ心配だ。自分では合わせないで、次のレッスンのときに先生に合わ
せてもらおうか、知り合いの上級者の友達に合わせてもらおうか、でもそ
れまでに緩んだらどうしよう。
 自分が音楽の初心者のつもりで想像力を働かせるてみると、チューニン
グは結構恐ろしいと思えてきました。この恐怖のチューニングを克服する
にはどうしたらいいのでしょうか?
 この問題が解決できるかどうかわからなくなってきました(おいおい)。
さて次回につづきます。
 
 筆者注:超入門はのろまなかたつむりです。イライラしたらごめんなさ
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この記事は、メルマガ創刊号[2008/02/13]に掲載されたものです。まぐまぐ登録はこちら

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